| ★Ｑ＆Ａコーナー漫才で早わかり |
スレイヴの特徴をわかりやすく説明する漫才です。
日々の雑感を加えて時おり更新できれば、と考えています。
なにはともあれ、まずは、お楽しみください。
（チャカチャンリン、チャカチャンリン←お囃子の音）
| 【親分】 | おやぶんでーす。 |
| 【子分】 | こぶんでーす。 |
| 【２人】 | ２人合わせて親分子分でーす。 |
| 【親分】 | それにしても、きみ、ドえらい本がでたそうやな。 |
| 【子分】 | ほんま、ほんま。ドえらい本ですわ。郷ひろみの「ダディ」！ やっぱり最近は幻冬舎ですなあ。 |
| 【親分】 | きみ、ちがうがな。98年の８月21日にポット出版から「スレイヴ」ちう本が出たんや。 |
| 【子分】 | え？ 何です？ それ。 |
| 【親分】 | なんも知らんのやな、きみは。「スレイヴ」ちうのは、世界初のコピー自由な文芸作品や。読者が自由にコピーしてもエエのんや。ふつう図書館では、50%以上のコピーは許されてへんのやで。 |
| 【子分】 | 本１冊まるごとコピーするアホがいてますかいな。コピーするくらいやったら、本屋の店員どつきたおして盗んで… |
| 【親分】 | 恐いこという奴やな。そんな任侠の道から外れたことしたらアカン。 |
| 【子分】 | で、コピーできるっちゅうのは、どこがドエライんですか。ワイにはようわかりまへんな。 |
| 【親分】 | つまりや。きみも知ってると思うけど、パソコンの世界には、フリーソフトウエアちうのがあるやろ。例えていうと「スレイヴ」は、小説のフリーソフトみたいなもんや。なんぼコピーしてもかまへんのや。 |
| 【子分】 | わからん人やなあ、親分も。さっきから何いうてまんねん。ワイが訊いてるんは、本１冊丸ごとコピーするアホがどこにいてまんねん！ ちうことですわ |
| 【親分】 | 話は最後まで聞きなはれ。「スレイヴ」の面白いところは、内容もさることながら、その流通形態や。ポット出版から、紙の本も発売されたけど、電子の本も無料で公開されてるのや。電子の本やったら、コピーする人は、きっといたはる。 |
| 【子分】 | 電子の本って、何ですのん？ |
| 【親分】 | 電子の本ちうのは、いろいろあって、一番単純なのはテキストファイルやな。 |
| 【子分】 | あ、わかった。テキストブック。つまり教科書のことでっしゃろ！ |
| 【親分】 | せっかちやなぁ。テキストファイルちうのは、どんな機種のパソコンでも、どんなワープロソフトでも読み込めるファイルの形式や。それも一種の電子の本やけど、ほかにHTML形式ちうのもある。インターネットのホームページは、どれもHTML形式のファイルやで。ほかに、ボイジャーちう会社からエキスパンドブックという電子本のソフトがあって、その形式も一種のテキストファイルや。 |
| 【子分】 | 親分、あんたほんまに極道でっか？ パソコンばっかりいじってたら、あんさん、しまいにタマ取られまっせ。 |
| 【親分】 | きみ、僕らほんまのヤクザとちごうて、ただの漫才コンビやろ。恐いこというもんとちゃう。 |
| 【子分】 | それはそうと、電子の本をタダで公開したら、紙の本を作った出版社は怒りますやろ？ そんなことされたら、本が売れまへんしねえ。 |
| 【親分】 | はっはっは。そこがきみの浅知恵や。出版社もそれを承知の上で本を作ったはる。さっきも言うたけど、作品そのものはフリーソフトウエアみたいなもんや。せやから作者は印税をもろうてない。つまり、出版社は無料で原稿を手に入れたようなもんや。ほら、よく本屋なんかで売ってるやろ、「CD-ROM付き、便利なフリーソフトウエア1000本」みたいなやつ。あれと一緒や。 |
| 【子分】 | 作家センセにカネ払わんと、出版社だけがゼニ儲けでっか？ そら、作家がかわいそぅや。いまから、ポット出版に殴り込みかけまひょか？ 社長と編集者、皆殺しや。ほな、行ってきますわ。さいなら。 |
| 【親分】 | こら、待たんかい！ 大きい声ではいえんけど、ポット出版もたいして儲けがあるとは思えんのや。本の価格には、ふつう、印税分が載せられているんや。1000円の本を買うと、だいたい100円が作者の懐にはいる勘定やけど、「スレイヴ」は作者が印税をもらろうてへんさかい、ポット出版もその分、本の値段を下げたんや。どこぞの会社みたいに、丸儲けでウッシッシ、ちう会社とは違うのや。 |
| 【子分】 | なんか、しょぼい話でんなぁ。出版社も儲かれへんし、作家はタダ働きでっか？ やっぱり、その本、おもろぅないんと違うやろか。なんぼ親分が買え、いうても、ワイは買いまへんから（キッパリ）。 |
| 【親分】 | そら、きみの勝手や。けど、作者はそこで一計を案じた。つまり「一律いくら払え」という、これまでの印税徴収方法に代わって、作品が気に入った人は、気に入った分だけ印税を払い込んでくれ、ちう方式を思いついたんや。気に入ったら金を払う。気にいらなんだら払わん。それを読者に任せたわけや。 |
| 【子分】 | そんなん、だれが払いますかいな！ 親分、あんたほんまにアマいわ。世の中、そんなお人好しばっかりやあらへん。恐喝、暴力、窃盗、詐欺、殺人、いじめ…… 世の中、ワルばっかりでんがな。役人も政治家も評論家も、みんな平気な顔してウソつきよるやないか。 |
| 【親分】 | アホ！ 自分のこと棚に上げてるんと違うか？ 世の中には、陽の当たらんところでも、まっとうに生きたはる立派な人が大勢いたはるのじゃ。人生の修行が足らんやっちゃなあ、きみは。こんど、背中にネズミ男の入れ墨、掘ってきてもらおか。 |
| 【子分】 | 本の流通形態の話はもうよろし。それより、中身はどないですのん。どうせ、おもろないんでっしゃろ？ |
| 【親分】 | そやなあ。アタマの悪いきみには無理かもしれんけど、僕は感動して涙がこぼれた。芥川賞なんかいらんね。これはノーベル文学賞以上の作品や。なんちうか、これまでにジャンルのない、新しいポストモダン文学かなあ。「スレイヴ」っちうタイトルも国際性があって、なかなか粋や。 |
| 【子分】 | アタマがよくなるんやったら、かい摘んで教えてもらえまへんか。 |
| 【親分】 | せやな、ちょうどええもんがあるから、これを読んだらよろし。スレイヴをダウンロードしたらつてくる仕様書が、これや。 |
【データ名】
●内容：
大阪の中小企業で、課長になったばかりの亀井遠士郎は郊外に家を新築し
たのだが、妻と娘の反対で、書斎を持つことを許されなかった。このため亀
井は、部下の薦めで手のひらに乗る小さなパソコンを買った。それを書斎に
しようというのだ。
亀井が書斎を持とうとしていたのは、マスコミで活躍している大学時代の
同級生・ジェリィ平賀をギャフンと言わせる、本質的で普遍的な何かを書く
ためだった。
小さなマシンは亀井の生活に弾みを付けた。そいつを使って、亀井は電脳
回廊を駆け回り、ＧＮＵやグーテンベルグ計画などを知り、だれもがビル・
ゲイツの奴隷になっている現状に気付いていく。
息つく間もないストーリー。まるでＲＰＧのキャラのように、亀井はコン
ピューターから経済、生物学、ジャーナリズム、文学、法律、歴史、哲学、
思想という各種アイテムでパワーアップされてゆく。
抱腹絶倒のコメディ、怒涛のカンフーアクション、疑惑と裏切りのサスペ
ンス、耽美なロマンス、美しい家族愛…。あらゆる要素を凝縮した深い内容
と、最後に待ちかまえる大ドンデン返し！「ソフィーの世界」より勉強にな
り、「百年の孤独」ほど難解でなく、「アルジャーノンに花束を」より涙を
誘い、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」より切なく、「人間失格」よ
り元気が出る。
小説のスタイルを取りつつ、面白くてタメになる現代人必読の文明批評と
言えよう。
●ファイル：
Readme.1st このファイル
Honmon.lzh 本文（このファイルも LHA で解凍してください）
Footnote.txt 脚注
Display.txt スレイヴの画面のイエージ図
Keyboad.txt スレイヴのキーボードの図
●条件等：
著作権は、畑仲哲雄に帰属します。しかし、無断でコピーしたり、加筆修
正したり、続きを書くことなどを許可します。いえ、歓迎いたします。どこ
かに転載する際は、「転載」であることを明記し、オリジナルファイルがあ
る場所を明記してください。
●ダウンロードできるサイトは：
http://homepage3.nifty.com/hatanaka/slave/| 【子分】 | ………親分、ほんまにこれで感動したんですか？ あんたとはやっとれんわ。こんな組は解散や！ |
| 【２人】 | シッツレイしましたー。 |